著者のコラム一覧
王瑞霞医学博士、中医師、鍼灸師

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。中国山東中医薬大学卒業。中国北京中医薬大学大学院修了。日本大学医学部医学博士。鍼灸師、登録販売士。

東洋医学の不妊症に対するアプローチ…腎の働きをよくする

公開日: 更新日:

 五臓六腑の中で、生殖をつかさどる臓器が腎。不妊症に対して、東洋医学では腎の働きをよくすることが最も重要だと考えられています。

 そのため不妊治療には、この腎のパワーダウンを食い止める「補腎」が重要になってきます。

 この「補腎」の考え方は、さまざまです。

 性欲や精力減退が主症状の場合は「腎精」にアプローチしますし、精神的・肉体的疲労感が主症状の場合は「腎気」、腰や下腹部の冷え、全身の冷えが主症状の場合は「腎陽」、のぼせ、ほてり、寝汗が主症状の場合は「腎陰」にアプローチします。

 漢方処方としては、六味地黄丸、八味地黄丸、牛車腎気丸などが知られています。また有効なツボとしては太渓、腎兪、関元、石関などもあります。漢方もツボも、その方の「証」に応じてどれが最適かが異なります。なお「証」とは、その方の見かけ、体質、体力、抵抗力、自覚症状などから導き出されるものになります。

 腎を補うとともに、もう一つ大事なのは妊娠を妨げる因子を取り除くことだといえます。それは、ストレスなどにより気の流れが滞る「気滞」、血の流れが滞る「血瘀」、体の中に余分な水分や脂肪がたまってしまう「痰湿」です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇