糖尿病が不安な人の正しい「靴」の選び方…足病変リスクを減らす新健康靴開発者に聞く
実際、佐賀大学医学部付属病院の足専門外来の糖尿病患者の足裏の圧力を測定したデータを同大の上村哲司教授らが解析したところ、母指球のほかに、足の人さし指や中指の関節部分に特に高い圧力がかかっていたという。
「ですから、糖尿病の人の靴に最も大切なのは、自分の足にピッタリしていることはもちろんですが、足に傷をつくりにくく、足底圧を減らす工夫があることが望ましいのです。例えば開発した靴は人が本来持つロッカー機能を補う働きがある靴となっています」
足のロッカー機能とは歩く時、足指の関節部分が振り子の支点となり、重心が前にスムーズに移動するメカニズムのこと。糖尿病の人はこの機能が衰えていることが知られている。
「靴型装具(医療靴)などでは以前から取り入れている方法で、具体的には靴の中敷きを通常の3ミリから8ミリと厚くしたうえで、前足部を反り返らせた、ゆりかごのような形状になっています。そうすることで着地してすぐに前に進む動きに変えられ、足底圧を低減させることができます」
また、開発した靴のソール部は親指部分より小指部分を4ミリ高くする、モーションガイドスロープ(特許取得)を設けている。蹴り出しがラクになり、小指への負担を減らす工夫だ。