「キノコががんに効く」は過去の歴史…かつて研究した友人の結論
それから熱燗を飲みながら、キノコががんに効くのかどうか、友人の独演会が始まりました。友人は若い頃、ある研究所に勤めていた際にキノコとがんの関連を調べたことがあったようです。
「キノコをたくさん食べる家はがんが少ない」と言われたことがあって、キノコは免疫力を活性化させるのではないか、キノコに含まれる多糖類のβ-グルカンは免疫力を上げ得るらしいこと、サルノコシカケを煎じて飲んだことなど、話は長く続きました。
カワラタケから抗悪性腫瘍薬のクレスチンがつくられ、胃がんや大腸がんの化学療法との併用で効能が認められていたが、2017年に製造販売中止となったこと。シイタケからつくられたレンチナンは抗がん剤との併用で使われたが、18年に販売終了となったことなどにも話は及びます。クレスチンとレンチナンは、過去にがんに効くと国が認めた薬でした。
友人の結論は、「昔はキノコはがんに効くような文献を見たが、いまや過去の歴史だね。キノコは、がんとのことは考えないで、おいしく、楽しく食べられるのがいい。天の恵みだ」でした。
「来年はまたこの庭にきっと生えてくる。それを期待して……」
これで、その話題は終わりました。
後日、これを知った庭師さんが、おわびにたくさんのキノコを持参してくれたそうです。ニワシメジではなかったそうです。