これからは75歳以上のがん医療についてもっと検討しなければならない
ただ、これはあくまで年齢調整死亡率であり、がんによる死亡数は1981年から40年以上連続で死因のトップです。日本の全人口は減ってきていますが、65歳以上の人口は増加しており、これからも高齢化によるがん患者数が増加することが予想されています。2021年にがんに罹患した人は約100万人、死亡した人は38万1505人(男性22万2467人、女性15万9038人)で、全死亡総数の26.5%を占めています。
高齢者人口は、「団塊の世代」が65歳以上となった平成27(2015)年に3387万人となり、団塊の世代が75歳以上となる令和7(2025)年には3677万人に達すると見込まれています。その後も高齢者人口は増加傾向が続き、令和24(2042)年に3935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されています。
高齢者にがんが多い理由は、年齢を重ねた身体は細胞の発生においてエラーが多くなり、その修復能力が下がるため、つまり免疫力が落ちるためと考えられています。これからは75歳以上のがん医療について、もっと検討しなければならないと思います。