著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

見栄晴さんは治療で活動休止…咽頭がん「ステージ4」でも完治の可能性

公開日: 更新日:

「大好きな競馬を楽しみながら、病気にも競馬にも勝てるよう頑張ります」

 ステージ4の下咽頭がんであることを公表したタレントの見栄晴さん(57)が治療のため芸能活動を休止することに際して、SNSで元気な姿をアピールしています。病気に負けることなく、趣味や仕事に打ち込めるのは何よりです。

 報道などによると、昨年末ごろからのどに違和感があり、受診して精密検査したところ、先月18日にステージ4の下咽頭がんと診断されたといいます。今週には入院し、抗がん剤や放射線で治療するそうです。

 咽頭は、鼻の奥から食道につながる部分で、鼻に近い方から上咽頭、中咽頭、下咽頭に分かれています。リスクは喫煙と飲酒です。

 声帯がある喉頭は早くから声のかすれなどが見られやすいのですが、咽頭は進行するまで症状が現れにくい。見栄晴さんは酒もたばこもたしなんでいたようですから、この2つの影響は強いでしょう。特に飲酒で顔が赤くなるフラッシャーは、より高リスクです。

 ただし、最近は胃がん検診に内視鏡が使われるようになり、咽頭の一部は内視鏡で同時にチェックできます。そのため以前に比べると、早期に発見されることも珍しくありません。

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