その言葉通りで、がんの治療は“そのとき”に向けて家族や仲間と準備ができるのがよいところです。私も講演などではそこをよく説明していて、小倉さんも実感されたのでしょう。
小倉さんの奥さまは、母の介護で実家に戻ることもあるそうですが、その分、ラインでのやりとりを増やし、「1日に何回も」メッセージを送るそうです。1人暮らしでも「夫婦間の思いやりは強くなった」と笑顔で強調できるのは、闘病が家族力を高めた何よりの証拠。「最後の治療」という言葉は重いですが、それを受け止めて乗り越えることは悪いことではありません。