顔の赤みが引かない…「酒さ」に悩む患者が急増している
「長時間マスクをつけた状態で過ごしていると、顔が蒸れたりマスクが擦れて肌は刺激されます。それにより酒さを新たに発症したり悪化する人が増え、コロナ前は1週間で1人程度だった患者さんの数は現在、1日1~2人にまで増加しています」
■22年から治療薬が保険適用に
これまでの治療法は、赤みやプツプツがひどい場合には抗炎症作用のある抗生物質の内服薬が処方されるほか、酒さに効果が高いといわれている漢方薬(越婢加朮湯や加味逍遥散、白虎加人参湯)や、皮膚の常在菌を殺菌させるイベルメクチンや美白効果のあるアゼライン酸の外用薬が処方されてきた。ただ外用薬はどれも自費診療な上に、効果が現れるまでに約半年かかる点からも患者の経済的な負担が大きかった。
そんな中、2022年に酒さの治療薬として効果が高いと海外で一般的に処方されていた「ロゼックスゲル(一般名:メトロニダゾール)」が、日本でも公的医療保険で認められた。
「この薬は元々、がん性皮膚潰瘍臭に対する治療薬として使われていました。抗炎症作用・免疫抑制作用によって慢性的な肌の炎症を抑えます。漢方薬と併用しながら1日1~2回塗布すると、4週目ごろから赤みが改善され始めます」