負担を減らす介護法「ユマニチュード」では相手にどう触れればいい?
最後は「立つ」です。二足歩行をしている人間にとって、自分の足で立って歩き、行きたい場所へ向かったり嫌な場所から逃れるのは生きる上での尊厳ともいえます。1日20分立つ動作を取り入れると寝たきりを防げると提唱されています。イスやベッドから立ち上がってズボンをはいてもらったり手すりに掴まりながらシャワーを浴びるなど、なるべく立つ時間を設けるよう意識して介護を行いましょう。
ただ、いざ家族に対してユマニチュードを行おうとしても、気恥ずかしさから実践するのが難しいと感じる方が少なくありません。その際はユマニチュードの技法を学んだ訪問看護師らに間に入ってもらい一緒に行うと、徐々に抵抗感が軽減されるかもしれません。見つめ合うのが難しければ、そっと相手の肩に触れることから始めてみるといいでしょう。
▽濵優理(はま・ゆり) 山梨県立看護短期大学卒業、1998年山梨医科大学付属病院勤務、2000年島田市民病院勤務を経て、05年から現在の諏訪赤十字病院勤務。