かかってくる電話はさまざま…何度でもどんな内容でも納得いくまで対応
この患者さんの場合、日中は施設にいることがあるため、施設と自宅とその都度、臨機応変に診療場所を変更していますが、そのこともあって、ご本人から「次回は自宅でよかったですね?」など確認の電話をその都度頂いています。
ご本人が受給されている医療費補助制度「自立支援医療受給者証」の更新のタイミングなどもよく気にされ、更新できているかを確認する連絡もしばしば頂いています。
ご本人が自らの言葉で私たちに伝えたい時は、こちらもしっかり傾聴しながら「ということは、○○ということですかね?」など一つ一つ反問しながら、意図を酌み取り対話を進めていきます。そして会話が一段落した後「かしこまりました。大変助かります。いつもありがとうございます!」とお伝えすると「こちらこそいつもありがとうございます!」と電話口から安心されているご様子が伝わってくるのです。
実はこの患者さんのご両親も、ご高齢で持病があり、当院で訪問診療をしています。それだけにお母さまは私たちに気を使われて、息子さんの電話を切ろうとすることが度々ありますが、そんな時も逆にお母さまに少し我慢していただき、患者さんが納得するまで対話するようにしています。
なぜならそうすることで、在宅医療の大前提である、患者さんやご家族との信頼関係を築けると考えるからなのです。