著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

充血を取る目薬を常用していると充血が一層ひどくなる

公開日: 更新日:

 また、目の毛細血管にも違いがあります。常用している患者さんの目は、顕微鏡で見ても毛細血管がまったく見えません。本来毛細血管は、のぞいた瞬間に無数に見えるものなのに、です。

 なぜそうなってしまったか。白目の血管を収縮する物質の影響で、毛細血管が見えないぐらいに縮んでしまっているからなんですね。

 ここまで読んで「充血を取る目薬を使っているけど、どうしよう」と不安に思った方がいらっしゃるかもしれません。心配な方は、眼科に行き「充血で悩んでいる」こと、「充血を取る市販の目薬を点眼している(どのぐらいの期間点眼したかも具体的に)」ことを相談してください。

 私の場合、そういった患者さんにはまず充血を取る目薬の点眼を中止してもらいます。その代わりに、2時間に1度点眼するタイプの点眼薬を1カ月分処方して使ってもらい、1カ月後に再受診してもらって目をチェックするようにしています。

 ただ、決して脅かすわけではないのですが、そういった目薬を1年以上常に使い続けている患者さんが充血を根本的に治すためには時間がかかります。1年以上、長いと2~3年かかることも。充血については次回もお話ししたいと思います。

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