認知症の予防リハビリで“頭”を使った訓練は有効なのか?
ただ、こうした頭を使うリハビリを実施する際は、注意しなければならないポイントがいくつかあります。まずはそれぞれの患者さんに合わせ、その患者さんが7割ほどは成功できるくらいの難易度のトレーニングを選ばなければいけません。簡単すぎると飽きて続きませんし、ほとんど成功しないくらい難しいと負の感情が湧いてやる気を失ってしまいます。
また、決して無理強いをしてはいけません。患者さん自身に能動的に取り組んでもらうことが大切で、成功したときは褒めたり感心するなど共感しながら、患者さんが前向きな気持ちを保てるようにサポートします。本人が嫌がるトレーニングを無理にやらせて、“拷問”になってしまわないように注意しなければならないのです。
■脳への刺激とコミュニケーションが重要
さらに、常にコミュニケーションをとることも重要です。予防リハに取り組んでいる最中も積極的に声をかけ、やる気を引き出したり、達成感を感じてもらったりして、脳に快適な刺激を与えることが認知機能の低下を防ぐことにつながります。