コロナの「再感染」「再々感染」が続出しているワケ…やはり、風邪と区別がつきにくい
7月に「第11波」到来が報じられた新型コロナウイルス。一方で、マスク姿の人を街中で見かけることは激減した。コロナについて、知っておくべきことは?
■伝播力は祖先力より上
「現在でも年に2~3回はコロナ感染者数が急増する波があり、高齢者ほど入院者数は顕著に多い。また、コロナの入院者数、死亡者数はどちらもインフルエンザを上回っています。アメリカの2023年10月1日から24年3月31日までのコロナとインフルエンザ死亡の割合では、コロナ2.5%に対し、インフルエンザ0.55%。疾病負荷はコロナの方が高い」(呼吸器内科医でモデルナ・カントリーメディカルディレクターの石井健男氏=以下同)
現在、流行の中心となっているのは、オミクロン株の変異株「KP.3」だ。2023年末から主流株となっていた「オミクロンJN.1株」の子孫株になる。23年夏くらいまで流行していた「オミクロンXBB系統株」と系統が大きく異なる。
東京大学医科学研究所が今年6月、英国科学雑誌「The Lancet Infectious Diseases」オンライン版で公開した論文では、現在流行のKP.3株は、祖先株JN.1株より周りに伝播する力が強く、過去の感染やワクチン接種で得られた抗体から逃れやすい性質があることが示されている。