コロナの「再感染」「再々感染」が続出しているワケ…やはり、風邪と区別がつきにくい
献血を利用した厚労省の抗体調査では、今年3月時点で過去の感染を示す抗体を持つ人が6割以上、東京都や沖縄県では7割超との結果だったが、「コロナに感染したことがあるから(抗体があるから)、大丈夫」とは全く言えないのだ。記者の周辺でも7月以降、「コロナに再感染/再々感染」という人が続出している。
KP.3株の特徴は、喉の痛み、発熱、鼻水、咳や痰、頭痛など。厚労省は陽性と診断された場合、発症日を0日として5日間は外出を控えるよう推奨しているが、風邪と区別がつきにくいがゆえに、感染者の中にはコロナと気づかず普段通りの行動をとっている人もいるだろう。また、診療が有料で行動制限もかかることから、コロナを疑う症状があっても医療機関を受診しない人がいるのでは、との専門家の指摘もある。
■ワクチンは打つべきか否か
ワクチン接種には賛否両論あるものの、コロナ対策の一つの手段であることは間違いない。モデルナやファイザーでは、現在流行中の株に対応するワクチンの承認を取得している。
「弊社のデータでは、以前流行のXBB系統株に対応するワクチンでは、現在流行のKP.3株の初回免疫、追加免疫ともあまり上がらないという結果でした。また、NEJM誌(医学界のトップジャーナル)には、『XBB ワクチンの効果は対応株に対しては接種から約4週間で最も高く、その後、低下。JN.1系統株(現在流行株の系統)に関してはワクチンの効果は低く、効果が落ちるスピードも速い』、さらに『高齢者ほどワクチンの予防効果の衰退が速い』といった論文が掲載されています」(前出の石井氏)