見える世界がすべてV字に…俳優の渡辺隆二郎さん脳梗塞を語る
渡辺隆二郎さん(俳優/56歳)=脳梗塞ほか
「脳梗塞」は昨年初冬、主演映画の話が決まった時のことでした。
朝起きたらなんだか視界がはっきりしなくて、目をこすりながら立ち上がったら世界が“V字”になっていたんです!
平らであるはずの床がV字状に持ち上がって見えるという非常事態に、「これはまずいぞ」と思いました。しばらくすれば治るかと思ったら、その気配がないので近所の病院へ行くことにしました。でも、そこへ行くまでが大変でした。
頭では床が平らであることはわかっているんです。でも見える世界ではすべてがV字なので、壁を頼らずには歩けません。特に階段を下りる時は怖くて、両手で壁を押さえながら恐る恐るでした。
さらに、外に出れば人とすれ違うじゃないですか。距離感が掴めず、ぶつかってしまいそうなので、立ち止まって通り過ぎるのを待ち、誰もいないのを確認して歩き出す……その繰り返しでした。
そんな思いをしてたどり着いた病院で脳の検査を受けたところ、「メニエール病じゃないか」と言われ、その薬を処方されたんです。