高血圧の人はヒートショックの危険が増大する…薬を飲んでいても注意
「高血圧症の人は動脈硬化が進んでいるケースが多い。高血圧により血管に常に強い圧力がかかることで血管の内側を守る内皮細胞が傷つくと、悪玉のLDLコレステロールが血管壁に入り込みやすい状態をつくります。このLDLコレステロールは性質が変えられ(酸化)、貪食細胞に食べられます。その貪食細胞の死骸などが瘤のように肥大化してプラークとなり、動脈硬化が進行するのです。動脈硬化によって血管の弾力性が失われると、血圧が上下動したときの変動幅が大きくなります。そのため、高血圧症がある人は、入浴時に生じる血圧の上下動への対応が不十分になり、ヒートショックを起こすリスクがアップするのです」
また、血圧の変動によって血管に負荷がかかると、プラークが破綻して血小板が凝集し、血栓ができやすくなるという。
「血圧上昇の原因として交感神経の亢進が重要で、交感神経が活発に働いていると、血小板がお互いに密着して塊になり(凝集)、血栓ができやすくなります。そのため、高血圧症の人がヒートショックの状態になると、脳動脈や冠動脈に血栓ができて、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすのです。また、血管が傷んでいるので、急激な血圧上昇で脳出血も起こりやすいといえます」