著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

足のむくみは要注意な症状…少しの変化も見逃さず速やかに対処

公開日: 更新日:

 さらにひどくなると皮膚の硬化、赤みや色素沈着が起こります。血液や体液の流れがふさがれ滞り、その部分の皮膚に炎症が起こる「うっ滞性皮膚炎」が起こることも。

 うっ滞性皮膚炎が起こると最終的には血管が耐えられなくなり、毛細血管が切れて血液が漏出し、内出血が起こります。そして内出血した血液中の赤血球からヘモグロビンが放出され、最終的には鉄を含む色素の一種であるヘモジデリンを生成。これが皮膚に沈着することで、かゆみや湿疹、色素沈着が起こるのですが、この状態を放っておくと、傷の治りが遅くなるだけでなく、最悪の場合は感染症を引き起こすことがあります。すると、傷が治らず皮膚に穴があく「皮膚潰瘍」に至るリスクも高くなります。

 もし高齢の患者さんが感染症になったとしたら、連日抗生剤の投与が必要になり、足のむくみはさらに加速することになります。しばらくの間はベッドでの療養を余儀なくされるため、筋力低下によるフレイルの恐れも出てきます。場合によっては歩くことが難しくなるかもしれません。ですからむくみをあなどってはいけないのです。

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