突然母が別人になった(13)認知症について調べ、取るべき行動を探ろうとしたが…

公開日: 更新日:

 次に、ネット上で個人の体験談を探して読みまくった。ここでわかったことは、たとえタイプが同じであっても、認知症の症状はさまざまだということだった。また、認知症の肉親を持つ人の体験も、置かれた状況によりまた違うのだ。母の今の状況に当てはめようとしても、何がどうなるのか想像もつかなかった。

 さらに、レビー小体型認知症の親を持つ人の体験談はほとんど見つからなかった。アルツハイマー型認知症が100年以上前から知られているのに対し、レビー小体型認知症は1995年に新しいタイプの認知症として提案された、比較的新しい疾患だからだろうか。

 論文もあれこれ調べてみたが、私が知りたいのは、レビー小体型認知症の人やその家族の生活がどう変わってゆくかという事実や実感のほうだった。そこで「Googleアラート」を利用することにした。キーワードを登録しておくと、そのキーワードが含まれる情報がウェブ上に流れた際にメールで通知してくれる機能だ。

「認知症」「レビー小体型認知症」というキーワードを登録しながら、母が認知症になったのだという思いが、少しずつ現実味を帯びていった。 (つづく)

▽如月サラ エッセイスト。東京で猫5匹と暮らす。認知症の熊本の母親を遠距離介護中。著書に父親の孤独死の顛末をつづった「父がひとりで死んでいた」。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    《フジが反転攻勢》《どうする文春!》中居正広問題の文春記事訂正に大はしゃぎの違和感…“直取材”対象はどこにいる

  2. 2

    バド渡辺勇大は代表辞退、英の五輪メダリストもアダルトサイトで副収入…世界で共通するアスリートの金銭苦

  3. 3

    フジテレビ系の冬ドラマ「警察もの」2本はありえないお話しすぎてズッコケの連続

  4. 4

    中居正広は「地雷を踏んだ」のか…フジテレビに色濃く残る“上納体質”六本木『港会』の存在

  5. 5

    フジテレビ騒動で蒸し返される…“早期退職アナ”佐藤里佳さん苦言《役員の好みで採用》が話題

  1. 6

    入社式の仰天舞台裏 コネと忖度が横行するフジの末期症状

  2. 7

    生島ヒロシ“セパ制覇”でラジオ即降板の衝撃 中居正広“女性トラブル”が引き金となった好感度アナの裏の顔

  3. 8

    TKO木下隆行"元女子アナに性奉仕強制疑惑"で絶体絶命…釈明動画も"ウソつきイメージ"がアダに…

  4. 9

    フジの“私情含み”採用に佐藤里佳アナウンス室部長が異議

  5. 10

    文春訂正で中居正広ファン分裂! 「本人は無罪」vs「悪質性が強まった」で大激論