自分ががんだなんて思えなくて…囲碁棋士の三谷哲也さん悪性リンパ腫を振り返る
当時、妻は2人目の子供を妊娠していてつわりがひどいときでした。そんな妻に付き添われて救急車に乗り、夫婦そろってぐったり。申し訳ないと思いながらも、その後はもう自分のことしか考えられませんでした。
すぐに手術の段取りとなりましたが、腸を空にする必要があり、手術前日から絶飲食になりました。何がつらいって、そこから術後丸1日経つまで一滴の水も許されなかったことです。手術前と手術後の計丸2日間点滴のみで口の中は乾きっぱなし。看護師さんが湿ったガーゼで口の中をたまに拭ってくれましたが、乾きが耐えがたかったです。
■麻酔が切れると激痛が襲ってきた
術後は管がたくさんつながれて身動きが取れなくて、ただあおむけに寝ているだけ。さらに麻酔が切れ始めると激痛が襲ってきて、「痛い」なんて言葉では足りない。痛すぎて呼吸もうまくできないくらいの苦しみに見舞われて、早く時間が過ぎてほしいと願うばかりでした。でも、「もう1時間ぐらい経っただろう」と思って時計を見てもたった5分しか進んでいなくて……。