(2)手術は大成功…しかしそれから父と娘のバトルが始まった

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「痛くなかった?」と尋ねる裕子さんに、孝一さんは「ああ、頭を動かさないでと言われただけで、別に何ともないよ」と、笑顔を見せた。

 手術は「超音波水晶体乳化吸引術」というものだ。手順は、角膜(または強膜)を数ミリ程度切開し、水晶体の上側を切り取り、中身を砕いて吸引。空っぽになった水晶体の袋の中に眼内レンズを挿入して終了である。

 富岡さん親子は、受付で看護師から、続く右目の手術は2週間後と伝えられた。さらに、「目は少しゴロゴロしますが、もし激痛が走るようなことがあったら電話くださいね。明日、眼帯を外しますから」との指示があった。手術費用は2割負担で約3万円だった。

 孝一さんは、裕子さんが運転する車で帰宅した。それから1カ月間、術後にさす3種類の点眼薬をめぐり、認知症の孝一さんと娘の裕子さんの間で壮絶な“格闘”が始まった。 =つづく

【連載】認知症患者の白内障手術体験記

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