能登半島地震でビル倒壊の衝撃 「耐震性はマンションより弱い」と専門家、旧基準はさらに危険
能登地方を襲ったマグニチュード7.6、最大震度7の地震で、石川県では9日までに202人の死者が確認されている。
東日本大震災以降、初めて大津波警報が発令されたほか、この地震では数多くの家屋が倒壊、焼失しているが、衝撃的だったのが7階建てのビルの倒壊だ。
輪島塗や朝市で知られる輪島市の目抜き通りに面した輪島塗の会社のビルが根元から横倒れになり、隣の木造飲食店兼住居に覆いかぶさった。
ビルとがれきの中に取り残されていた女性は3日、心肺停止状態で運び出されて、死亡が確認された。
「ビルは一見、堅牢そうに見えますが、オフィス空間を広く取る間取りのため、ミツバチの巣のように住戸が細かく配置され、壁や柱が多いマンションに比べて耐震上弱いとも言えます。特に1982年5月末以前に認可を得て建てられた旧耐震基準のものはより重大な耐震上の問題を抱えている可能性が高いのです。旧耐震でも耐震診断をして耐震補強していれば、大きな地震でも建物が全壊するようなことは避けられたかもしれません」(不動産アナリスト・長谷川高氏)