国立大学の学長はなぜ、医学部教授ばかりに? 選考ポイントは「稼げる」かどうか

公開日: 更新日:

 
 本年4月に就任した再任を除く国立大学の医学部出身の新学長には、医学部のある大学では上記の2大学のほかにも、秋田大学、島根大学などである。例外は高知大学ぐらいである。

 新任でない現学長では、京都大学をはじめ、北海道大学、埼玉大学、金沢大学、神戸大学、岡山大学、広島大学、九州大学など地方有力国立大学の学長は、軒並み医学関係の研究分野である。どうして医学部出身の学長が多くなるのか。

■稼ぐ力がある研究は医学分野が多い

 法人化によって減らされた運営費交付金を補うべく、収入をふやして「稼げる大学」にならなければ、現在の教育研究活動を維持できないようになった。
 
 国立大学の収支構造は国からの運営費交付金が収入全体の3~4割を占め、入学金や授業料は1割強、附属病院の収益で2~3割というのが平均的なケースとなっている。入学金や授業料は、国立大学でもある程度各大学の判断で増額できるが、収入の6割前後を占める私立大学のようにはいかない。減額される運営費交付金に対応して、各大学では別な手段で収入を稼ぐ確保する必要性が生まれる。行財政改革をすすめた当時の竹中平蔵元総務相が、「大学も自分で稼ぐ努力をすべきだ」と主張したのはそのためだ。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由