国立大学の学長はなぜ、医学部教授ばかりに? 選考ポイントは「稼げる」かどうか

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 高等教育の無償化が進む中で、学費の値上げは安易にできないし、研究のコストもどんどん上がる。その分は「自らの手で稼げ」ということだ。法人化前の学長は最多投票の結果で選ばれたことが多かったが、選考会議では「稼ぐ能力があるどうか」が、大きな選考のポイントとなりつつある。

 その点で、大学の医学部は多くの診療科に対応して教員数も多いので学内の意向聴取でも上位をキープでき、何より医学分野は「稼ぐ力」がある。株式市場に上場する大学発スタートアップ企業には医療関係が多い。また、医薬品業界などからの財政的サポートも少なくない。
 
 かくして、日本の医学部のある国立大学では、医学部出身者がリーダーシップをとるケースが多くなり、学長にも選ばれるようになるのである。

(木村誠/教育ジャーナリスト)

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