1人4万円の定額減税の次は「怒濤の増税ラッシュ」が始まる! 岸田政権が企む中身あれこれ
月20円程度だが40年間徴収される
■復興特別税…2057年まで20年延長
防衛費の財源のため一昨年の税制改正大綱で出てきたのが、「復興特別所得税」の20年延長案。東日本大震災の復興を目的に13年1月から37年12月まで期限を切って所得税額に対し2.1%が徴収されているが、この税金を1%に引き下げて57年まで延長する案が浮上している。「被災者のためなら」と復興特別所得税を甘んじて受けていた人も多いのに、防衛費では話が全然違う。
「直接の税金ではありませんが、補助金終了で高騰が話題に上っている電気料金。この毎月の電気料金には北海道電力から九州電力まで全国あまねく、福島第1原発の『賠償負担金』と『廃炉円滑化負担金』が上乗せされています。本来は東京電力に負担させるべき筋合いのものです」(荻原博子氏)
多くの国民は知らなかったろうが、20年からこっそり徴収されているのだ。今のところ標準家庭で月20円程度の負担だが、60年まで40年間徴収され続ける。もちろん、「復興特別税」との二重払いだ。
■森林特別税…名前と中身を変えて徴収
復興特別税(国税)とは別に復興特別税の「個人住民税加算」(地方税)が1人年間1000円徴収されていた。地域の防災対策が目的で、その期限が23年で切れたと同時に登場してきたのが「森林環境税」。温室効果ガス排出削減や災害防止などを図る目的で、同じく年1000円の全額が国から都道府県・市区町村に譲与される。
「一度導入した税金は中身や名前が変わろうと手放したくない。温暖化対策に充てられる税金にはすでに『石油石炭税』があります」(ジャーナリスト・中森勇人氏)
■たばこ税…1本3円相当の値上げ
これも防衛力強化のため、27年度までに段階的に1本あたり3円の値上げを予定中。現行、国と地方を合わせ、紙巻きたばこには1箱あたり304.88円の税金が課せられているが、これを364.88円程度に引き上げる。また、喫煙者の2割以上が利用し、今後も増加が見込まれる加熱式たばこについても、紙巻きたばこの7~8割程度に抑えられてきた税金を同水準まで引き上げる予定だ。
たばこ税の収入は最盛期に2.3兆円を超えていたが、23年度は国と地方合わせて1.9兆円程度に減少。税金を2割アップすれば、ちょうど最盛期の頃の税額に戻る。