1人4万円の定額減税の次は「怒濤の増税ラッシュ」が始まる! 岸田政権が企む中身あれこれ
児童手当拡充の見返りは配偶者・扶養者控除廃止
■酒税…第3のビールとチューハイを狙い撃ち
酒税の増税はすでに決まっている。現行、第3のビール(新ジャンル)には350ミリリットル1缶あたり47円の税金がかかっているが、26年10月から54.25円に増額(15.4%アップ)。キリン「のどごし生」「本麒麟」、サントリー「金麦」、アサヒ「クリアアサヒ」といいった今や売れ筋のビールばかりだ。
さらに、現行1缶あたり28円のチューハイは25%もの大幅アップで35円に増額。キリン「氷結無糖」、コカ・コーラシステム「檸檬堂」、サッポロ「男梅サワー」などが対象になる。
■退職金…老後資金の非課税枠を縮小
会社員の退職金は勤続年数20年までは1年につき40万円、20年以降は70万円へと控除額が増える。仮に大卒38年勤務の人の場合、計2060万円までなら一時金で受け取っても税金がかからない。この控除額を20年以降も1年40万円のままで据え置こうというもの。1520万円以上は課税の対象になる。
■通勤手当…通勤の足にまで税をかける
通勤手当は福利厚生のひとつであり、電車やバスといった交通機関を利用する従業員は1カ月15万円までなら非課税。マイカー通勤なら最大3万1600円まで認められる。この通勤手当を「給与」にして、そこから所得税を徴収しようという案が検討されている。
■相続税・贈与税…若者の結婚支援も打ち切り
「住宅取得等資金贈与の特例」は昨年12月をもって廃止されているが、経済的不安から結婚・出産(不妊治療含む)を躊躇する若者に両親や祖父母の資産を1000万円まで非課税で譲渡できる「結婚・子育て資金一括贈与」も来年3月で廃止になる。年間110万円の生前贈与についても制限される予定だ。
「パートで働く短時間労働者の厚生年金の加入について企業規模の条件を撤廃したり、国民年金の支払期間を65歳まで引き上げる動きもある。税金や社会保障費の負担は限界近くまで来ています」(荻原博子氏)
児童手当の拡充の見返りに、配偶者控除や扶養控除も廃止の方向。喜ばせておいて後でガッカリ……、底意地が悪いとしか言いようがない。