朝日新聞記者の蓮舫批判、石丸伸二氏への脅迫メール…元公人へのSNSバッシングはシェアもアウト?
問題は、直接本人に誹謗中傷しなくても、ネット上に拡散される切り抜き動画や特定候補の批判アカウントをシェアしただけで訴えられるリスクがあることだ。ITジャーナリストの井上トシユキ氏が言う。
「過去の判例をみると、名誉棄損や脅迫で訴えられた元となる投稿を拡散したユーザーが罪に問われたケースがあります。犯罪の認定された人をほう助したとみなされるためで、仮に自分のフォロワーが10人(少人数)しかいなくても理由にはなりませんでした。都知事選の候補者らの批判投稿を見ると、『何者かわからない投稿者』のアカウントをリポストして、それを根拠に持論を述べるユーザーが少なくありません。その“根拠”がフェイクニュースだったり、自作自演のことが多々あるので注意が必要です」
SNSの投稿表示回数を稼ぐためのインプレゾンビが、自作自演投稿を複数の別アカウントで賞賛して拡散するユーザーがいるからだ。
「また、元の記事やフル動画を見ずに切り取りを引用して、候補者本人らが意味が違うと釈明しても『感じ方は人それぞれだから別にいいじゃないか』と反論する投稿が散見されます。有権者の捉え方は考慮されますが、『この考えはパラハラだと思う』と感情を述べる程度にしておきましょう。本人が否定するのに曲解して『ヒステリーだ』と断言する人がいます。これは誹謗中傷になり得ます。最近はタレントや政治家などの公人のリテラシーも下がっており、メディアの記事どころか、『何者かわからない投稿者』の私見を根拠のベースにして批判するケースが増えています。一般ユーザーはそれを免罪符に情報を精査せずにバッシングに加担しています」(前出の井上トシユキ氏)