51歳独女ライターが見た「色恋営業」の大修羅場。ホスト遊びに色恋をなくしたら何が残るの?

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コクハク

“色恋営業”禁止の風営法改正案

 パートナーなしの51歳独女ライター、mirae.(みれ)です。

【48歳で「男」を知りました。】

 警視庁は昨年12月、ホストクラブの“色恋営業”禁止の風営法改正案を2025年の国会に提出すると発表しました。いわゆる“ホス狂”と言われる女性たちが、担当ホストに巨額の売掛金を支払うために売春を強要されたりすることが社会問題になっており、その対策案として出されたものです。

 しかし、個人的には「ホスト遊びに色恋をなくしたら一体何が残るのか?」という思いが強くあります。今回は色恋営業について、私の経験を交えて考えてみました。

そもそも色恋営業ってなんなの?
「色恋営業」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。そもそも色恋営業とは何なのでしょうか。ネットで調べてみると、以下のようなことが書かれていました。

「色恋営業(いろこいえいぎょう)とは、相手の恋愛感情に乗じて、従わないと関係が破綻することを示唆して金銭を使わせる手法」(Wikipediaより)

 つまり、恋愛感情を利用した営業方法ですが、主にホストやキャバクラをはじめとした“夜職”と呼ばれる接客業で、お客に対して行われることが多いようです。

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 具体的にはどのような行為が色恋営業にあたるのか。よく見かける代表的なものをピックアップしてみると、

・相手に対して特別な感情があると示唆する
  →「僕にとって君は大事な人だよ」「この話は君だけにしかしないよ」「早く会いたいよ」など

・将来を約束するような言葉を発する
  →「ホストを辞めたら君と一緒になるつもり」「将来は君と子どもを育てたい」など

・言うことを聞かないと(お金を出さないと)関係が終わりになることを示唆する
  →「今回売り上げが立てられなければもう会えなくなる」「ホストを辞めたらもう会えない」など

 今回の警察による規制対象は、ホストのみでキャバクラなどには適用されないとのこと。ですが、キャバクラでも同じような色恋営業は行われており、たびたび問題になっています。

あちこちで行われている色恋営業

 実際はホストやキャバクラに限らず、地下アイドル、メイドカフェ、コンカフェ界隈のほかに、インディーズバンドなどでも似たような営業行為は行われています。

 リアルな接触がある接客業では、“ごくごく当たり前”の営業方法といえるでしょう。

 長年にわたってバンド界隈やアイドルなどの強火オタクとなり、インディーズバンドのスタッフ業務なども経験してきた私は、色恋営業を目の当たりにする場面はたくさんありました。

 とくにインディーズバンドのスタッフをしていた頃は、バンドメンバーがファンの女の子に対して、「〇〇ちゃんはファンの中で一番かわいい」や「みんなには内緒だけど、特別だよ」などとギリギリの甘い言葉をかけてライブチケットやグッズを大量に買わせたり、プレゼントを貢がせたり。それはまさに色恋営業そのものといえるでしょう。

 そして、まんまとハマらせた女の子たちと、しょっちゅうトラブルを起こし、ライブ会場では戦々恐々な空気が漂っていました。

この目で見た色恋営業の大修羅場

 たとえば、こんな事件がありました。私がお手伝いしていたバンド「D」のギタリストKくんは、背が高くイケメンでめちゃくちゃモテるバンドマンでした。

 バンド「D」のファンの半数は彼が目的だったといっても過言ではないほどでしたが、彼はバンドだけでは生計を立てられず、バイトもするような生活。稼いだお金が日々の生活費とスタジオ代で消えていくため、新しい機材を買うこともままならずでした。

 そんな彼が得意としていたのは、自分のファン数名に甘い言葉をかける色恋営業です。中にはベッドを共にした子もいた模様ですが…。

「僕には◯◯ちゃんの支援が必要なんだよ」

「ギタリストとして成功するためには、この機材が必要なんだ」

 などと甘~い言葉をかけて物品やお金をせびっては、メンバーやスタッフたちに武勇伝のように話していました。

「そんなことしていたら、そのうちファンに刺されるよ!」そう何度も忠告をしましたが、「大丈夫!うまくやっているから!」と、どこ吹く風。ところがある日、彼が色恋営業を行っていた2人の女性ファンが、楽器屋でばったり遭遇してしまったのです。

 彼女たちは互いに顔見知りだったこともあり、話をしてみると、どうやら同じ機材を買いに来た様子。突き詰めていくと、2人ともKくんに甘い言葉でたぶらかされ、機材の購入をお願いされていたのです。

2人のファンとKくんとの間で大修羅場

 ライブハウス裏の路上では女性たちの奇声が飛び交い、彼は刺されはしなかったものの、その騒動に警察を呼ばれ、連行されるはめになったのでした。

 つくづく、男女のどちらかが客になる界隈では、恋愛感情を利用した営業は当たり前にあると思わせる出来事でした。

 しかし、同じ内容の営業をされても、まったくなびかない客がいるわけで。なぜ一部の人は色恋でドツボにハマってしまうのでしょうか?

 次回は、色恋営業にハマってしまう理由や性質について考えてみたいと思います!

(mirae.(みれ)/ライター)

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