今や石破首相こそが“抵抗勢力”…「高額療養費」引き上げ凍結をかたくなに拒否する理由
「『命のために制度はある』と言いながら、自己矛盾に陥っている。石破首相が理屈の人だからなのか」と、野党議員は首をかしげる。なぜ、そこまでかたくななのか。自民党のベテランはこう言う。
「財務省と厚労省への気遣いがあるのだろう。29年ぶりに国会審議で予算案を修正し、財務省に汗をかいてもらった。社会保障制度については、これから年金や介護保険など国民に負担増と給付減をお願いしなければならないことが目白押し。ここで全面的に折れるわけにはいかないということ」
ジャーナリストの山田惠資氏もこう話す。
「財務省への負い目だと思います。昨年の補正予算審議で『前年を上回る13兆円規模』と大盤振る舞いした時から、ずっと財務省に無理をさせてきている。官邸関係者も『補正予算で金額を膨らませすぎた』と後悔していました。今国会でも、高校無償化と103万円の壁で財務省に手間をかけた。元々、石破首相は財政規律派です。それに、厚労関係の政策は詳しくない。財務省や厚労省に対して“理論武装”できないのでしょう」
きのう(6日)の自民と立憲の参院国対委員長会談で、立憲が首相と患者団体との早期の面会を求めた。与党内からは「このままでは患者団体が会見したり国会で発言するたびに、参院選の票が減る」と嘆き節だ。石破包囲網は狭まっている。
◇ ◇ ◇
制度の見直しにさまざまな批判が噴出する中、新たな火種になってきたのが、厚労省が提出した財政検証資料だ。財政への影響を推計したページの注釈に記されている仰天の数字とは……関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。
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