イルキャンティ 笹間章CEO(3)1号店を1972年オープン…店名はイタリアンワインから
「先輩2人の考え方が古く、レストランというよりは飲み屋のスナックのような雰囲気になっていました」
2人の先輩の経営姿勢を見て思い出したのは、タイプライターの輸入・販売業を成功させていた祖父と、失敗してしまった父の違いだった。
「お金の使い方、人の使い方に、父は甘いところがあった」と笹間氏。
■給料ははとバス時代の半分にダウン
例えばタイプライターを売って100万円が入ってきたとしても、それが全部自由に使えるわけではない。そこには仕入れや人件費など、経費がかかっているからだ。
「ところが父はお金が入ってくると、先のことを考えずにすぐ使ってしまうところがありました」
先輩たちのやり方を見ていて、父と同じだなと感じたのだった。
「店に友達を呼んでは、朝まで大宴会です。そこに店のお酒をどんどん出してしまうんだから、うまくいくわけがありません」