ただ、その時は子どもの単純な夢に過ぎなかったようだ。3歳の頃からピアノを習っていた増井少年は、地元の公立中学に進むと吹奏楽部に入部。絵を描くなど美術の時間も好きで、芸術分野に興味を持って取り組む3年間だったという。
「高校も将来を考えたわけではなく、自宅から自転車で通えるという理由で府立の泉北高校に進学しました。部活は文化系から一転して硬式テニス部を選択。思春期まっただ中でしたから(笑)、明るく爽やかなテニスに引かれたんです」
しかし、イメージとは裏腹に泥くさくテニスに取り組む高校生活だったようだ。(つづく)
(ジャーナリスト・中川明紀)