世論が求めるのは物価高対策なのに…自民総裁選で露呈した経済閣僚経験者「払底」の不毛

公開日: 更新日:

 もうひとつの経済分野の主要閣僚は経産相。かつて田中角栄元首相が「首相になるための条件」に挙げたポストだ。政権復帰後11年8カ月で10人が就任し、平均在任期間は約1年2カ月の短さ。小渕優子選対委員長と菅原一秀元衆院議員は「政治とカネ」の問題で、1カ月余りで更迭された。

 岸田政権では萩生田光一氏、西村康稔氏と裏金事件の表面化まで安倍派5人衆が続き、政権復帰後は最長の3年1カ月務めた世耕弘成氏を含め、今回の総裁選に安倍派議員は出られっこない。10人以上が出馬に意欲を示す中、経産相経験者は政権復帰後「第1号」の茂木敏充幹事長と現職の斎藤健氏だけだ。

■長期の安倍政権下で次世代育成を怠ったツケ

「歴代最長政権下で、安倍元首相が次世代育成を怠ったツケです。麻生氏の財務相独占もアベノミクスの一貫性を重視したというより、それぞれの母体である党内2大派閥の『力』を重視し、政権基盤の安定を優先させた結果です。『ポスト安倍は自分』と言わんばかりに、石破氏のような次をうかがう有力議員を干し続けた。就任1000日以上の岸田首相も同様で、『三角大福中』『安竹宮』と実力者が後継レースを競い合った往年の姿は見る影もありません」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  2. 2

    大阪・関西万博「前売り券」は買っちゃダメ! これから700万枚の“タダ券”が世にあふれる

  3. 3

    フジHD「資産価値1兆円強」の不動産群を物言う株主が狙う!下げ材料ばかりなのに株価連日高騰の“カラクリ”

  4. 4

    “絶対に断らない女”山田真貴子元報道官がフジテレビに天下りへ 総務官僚時代に高額接待で猛批判浴びる

  5. 5

    米国債投資は10年物利回り4.4%の「安全な資産」に変わりないが…ネックは“為替レート”の変動

  1. 6

    三井住友銀行「初任給30万円」に引き上げに氷河期世代から恨み節…《実績あげた社員に還元して》の悲痛

  2. 7

    スバル初のストロングHV「クロストレックS:HEV」が絶妙にウケているワケ

  3. 8

    石破首相と賃貸業界団体の深い関係…就任1週間で面会した“唯一の民間人”とは

  4. 9

    自民裏金調査「都道府県連」お目こぼしで“萩生田隠し”…「道府県議会」に絞り込み、お手盛りでお茶濁し

  5. 10

    三井化学の子会社を略式起訴…不正タネ販売、意図的に種子混合の悪質 やっぱり「種子法廃止」は間違い

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  4. 4

    フジテレビ労組80人から500人に爆増で労働環境改善なるか? 井上清華アナは23年10月に体調不良で7日連続欠席の激務

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    露木茂アナウンス部長は言い放った「ブスは採りません」…美人ばかり集めたフジテレビの盛者必衰

  2. 7

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も

  3. 8

    和田アキ子戦々恐々…カンニング竹山が「ご意見番」下剋上

  4. 9

    紀香&愛之助に生島ヒロシが助言 夫婦円満の秘訣は下半身

  5. 10

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係