学びエイド 廣政愁一社長(1)カリスマ予備校講師から上場企業の社長に
小学校は地元の公立に通ったが、中学からは私立の中高一貫校に入った。父の始めた会社が軌道に乗り、急に羽振りがよくなったからだ。中学生になって反抗期になると、ことあるごとに親とぶつかった。ようやく「うちは普通の家庭とはかなり違うと気づいた」のだ。
「オマエもそろそろ吸え」と親からたばこを勧められた。「ふざけんなよ。オマエらみたいになりたくないんだ」と怒鳴った。机に向かっていると「勉強なんかしたってしょうがないだろう」と言われた。愁一少年は心の中で「勉強しないでどうするんだよ」と叫んでいた。
「親がこんなふうだったのはある意味、ラッキーだったかもしれません。反抗しているうちに、こちらはどんどんまともになっていったんですから」
それまでは本を読む習慣がなかったが、少しでも勉強に役に立てばと、しょっちゅう本屋に寄るようになった。「知的生活の方法」(渡部昇一著)という本に出合い、衝撃を受けた。そこには「頭の回転を活発にし、オリジナルな発想を楽しむ」と書かれていた。