そもそも、最初から結果がわかっているスポーツなんて面白くも何ともない。双葉山の69連勝は戦時中。国民も「負けない英雄」を渇望していた時代だ。優勝回数歴代最多の32回を誇る大鵬(故人)、31回の千代の富士(現九重親方)の時はライバルと呼べる横綱と切磋琢磨していた。白鵬の場合は本来ライバルになるべき横綱が子分になっているのだから、どんなに優勝を重ねてもデキレースにしか見えない。
これで1敗力士が白鵬と琴奨菊、2敗に鶴竜、豪栄道、高安となった名古屋場所。この日は新進気鋭の遠藤が6勝目(5敗)を挙げたものの、いまや好角家が期待しているのは白鵬の黒星だけだ。