前相撲診療所長の林盈六さん 当時の条件は「大関待遇だった」

公開日: 更新日:

 血液検査してみて驚いた。幕内力士の数値が極めてよかったのだ。

「逆に三段目あたりで止まってる力士の数値は悪かったり、内臓脂肪率も高かった。強くなる人は肉体的にも健康なんだな」

 親方衆は新弟子を採用する際、フレーム(骨格)さえしっかりしていればいずれ筋肉はついてくると、肥満タイプには見向きもしないそうだ。

「オレが診療所を辞める頃に入ってきた朝青龍も動作に無駄がなく、機敏で体形が整ってた。こいつは横綱になるんじゃないかと思ったら、その通りになった」

 38年間、診療所の医師をやって感じたのは、日本人は糖尿病になりやすい民族ということだそうだ。

「その点、外国人は違う。300キロ近くあった小錦、彼の大関時代、優勝を逃した場所の部屋の打ち上げパーティーに出たことがあるんだよ。ヤケ酒なのか、彼はビールの大瓶を72本も空けちゃった。仰天したけど、彼に糖尿病の気はまるでなかった」

 筋肉増強のために禁止薬物のステロイドを使用していた力士をいさめ、やめさせたこともあるという。

 現在は週1回、八丁堀の「石川クリニック」で一般人を診察している。

「相撲診療所へも月に1度、八丁堀で診てる親方衆のクスリを確認に行く。日本人横綱? 小さい頃から着実に努力を積み上げていけば、日本人でも頂点を極めることができる。オレはそう信じてるよ」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…