体操床“本命”白井がまさかの4位…池谷幸雄氏が敗因を分析
ソウル(団体、ゆか銅)、バルセロナ(団体銅、ゆか銀)の2大会連続メダリストの池谷幸雄氏(全日本ジュニア体操クラブ連盟理事)は「着地で大きなミスが2つ出たのが痛かった」とこう解説する。
「着地の乱れで合計1点減点されたのは、ゆかの軟らかさを考えてしっかりと着地を止めにいく意識が強すぎた結果です。予選では勢い余って着地が乱れましたが、今回は金メダルへの期待とプレッシャーもあってか、逆に慎重になり過ぎたのが裏目に出ました。蹴りが抜けて宙返りが低くなり、体勢を崩してしまったのです。内村選手は(10日の個人総合決勝で痛めた)腰の状態がかなり悪かったため、着地の感覚がつかめなかったのかもしれません」
白井は内村から東京五輪のエースに指名された。今回の実施はゆかと跳馬のみだったが、東京では全6種目をこなし、団体連覇に加えて内村に代わり個人総合金メダル取りも期待される。
「内村選手のような、オールラウンダーになるにはゆかと跳馬以外の練習をこなすのはもちろん、もっと上半身を鍛えるべきでしょう。現時点では筋力が全然足りない。体を見ても分かる通り、ペラッペラです。白井選手は空中でひねっているときの足が割れてクロスしてぐちゃぐちゃになってしまう。これも体幹が弱いから。そこを修正すべきです。内村選手は足に関しては完璧で全く減点がない。2人の違いはひねっているときの体幹です。全身に力が入ることで空中でも足が揃うし締まる。白井選手はどこかが緩んでいるからキープできずに開いてしまう。まだ筋力が足りません」(前出の池谷氏)