ブーイングにも動じず2勝目 楽天・岸の類いまれな集中力
楽天の岸(32)がまだ、東北学院大のエースだったときの話だ。
2006年、米国で行われた日米大学野球の初戦と最終戦に先発した岸の試合前の投球練習に、あるスカウトは仰天した。1球投げるごとにグラウンドの練習を見たり、スカウトの視線を気にする投手がいる中、一心不乱に捕手のミットを目掛けて投げ続けていたからだ。
その岸が7日、敵地で古巣の西武相手に7回を2失点に抑えて今季2勝目。左翼席の西武応援団の激しいブーイングを気にするどころか、「やりがいがあった」というのも、類いまれな集中力があればこそか。両リーグを通じて20勝一番乗りに貢献し、「あれだけのブーイングの中でよく粘った」と梨田監督も手放しの褒めようだった。