“小世界”MGCが最大目標 日本のマラソンは何も変わらない
ニュージーランドは1960年代に世界のマラソン長距離界に革命をもたらした指導者、アーサー・リディアードの祖国。日本は前回の東京オリンピック前に、円谷幸吉、寺沢徹、君原健二らの精鋭を連れてリディアード合宿を組み、瀬古利彦を育てた中村清、高橋進らの指導者がリディアード方式に沿ってマラソン日本を築き上げた。ロバートソン兄弟はその伝統を飛び出したのだ。
「もちろん、偉大な指導者のことも、日本が影響を受けたことも知っている。陸上競技は日々前進し変化している。圧倒的なケニア勢とイテンの環境を見て、時代は変わったと思い、移った。イテンには世界中から選手が来ている」(ジェイク)
設楽悠太はレース前に「オリンピックやMGCはまったく意識していない」と語って日本記録を更新した。「走り込みという考え方は昔のことだと思う」と発言し、昔の人たちの気分を害した。
東京オリンピックが終われば、国立競技場は国立球技場になり、陸上競技はできなくなる。マラソンにしても、小さな枠にはめて“その後”はあるのか。日本陸連は責任を取れるのだろうか。