大谷翔平は手術成功も…二刀流ゆえ生じるリハビリの難しさ
レギュラーシーズン中は全米各地を移動するため、リハビリ環境も遠征先の気候によって異なる。エンゼルスの本拠地アナハイムのように年間を通じて温暖な気候なら問題はないが、敵地によっては東部地区の寒冷地だったり、湿度が極端に高かったりと、気象条件はさまざまだ。
元福岡ソフトバンクホークスのリハビリチーフトレーナーで、現在は「サクハルコンディショニングパーク」(東京・杉並区)を運営する佐々木理博氏は「大谷選手はリハビリ期間中の環境の違いに注意が必要です」とこう続ける。
「空気が乾燥していれば、球が滑るため、力んで肩や肘に負担がかかることも考えられます。マウンドの硬さや傾斜が異なれば、フォームを乱しかねません。段階を踏んでブルペンで投球練習できるまでに回復しても、患部に負担がかかれば、痛みが出るリスクも生じます。痛み、違和感があれば、リハビリをやり直さなければならず、復帰が遅れる可能性があります。リハビリは長期で、精神的にもきついため、場所が変わることで気分転換にはなると思いますが、都市ごとの気象条件の違いには気を付けるべきです」
キャンプ地アリゾナ州にとどまって、じっくりとリハビリできるならともかく、打者として各地を転戦しながらだけに注意が必要というのだ。
大谷は相手投手への対応力、環境への適応力に秀でている。二刀流復活のためには、リハビリでも適応力が求められる。