促成横綱の末路…10度目休場の稀勢の里に再燃する引退問題
■専門家が“予言”していた今の稀勢の里
しかし、03年1月場所で引退した貴乃花以来、日本人横綱が途絶えていることから、相撲協会や「2場所連続優勝、あるいはそれに準ずる成績」という昇進基準の内規がある横審でさえも「世間の声」に押されて稀勢の里を横綱にした経緯がある。
前出の中澤氏は当時、今の稀勢の里の姿を予言していたかのように日刊ゲンダイにこう語っていた。
「横審は相撲協会のお目付け役として、『強い横綱をつくる』ことが目的のはず。決して相撲協会の応援団ではない。少なくとも稀勢の里にとって今場所は綱取り場所ではなかったはず。重圧をはねのけてこその昇進ではありませんか。本来ならば、ここで待ったをかけるのが横審の仕事ではないか……横綱は負け越せば引退という過酷な地位。関脇に落ちてもやり直しがきく大関とはわけが違います。メンタルに難がある稀勢の里は、それだけの重圧に耐えられるのか。せめて来場所も優勝なら十分自信はつくでしょうが……」
改めて、中澤氏に現在の稀勢の里について聞くと呆れ顔でこう言った。