ロッテ1位・藤原恭大は規格外 中学野球部“1日でクビ”伝説
■兄に誘われPLに入学するはずが…
練習は決まって、2歳上の兄・海成さんと一緒だった。
海成さんは現在、大阪経済法科大野球部に所属。中学時代は弟とは別のチーム「兵庫尼崎ボーイズ」で外野手としてプレーし、PL学園へ進学した。
1年のとき、PLは大阪大会準優勝を果たし、「一緒に甲子園へ行こう」と弟をPLに誘う。しかしその直後、PLは新入部員の募集停止を発表した。
「(恭大は)運も良かったんだと思います。もちろん、ここまで来られたのは本人の努力の成果もあります。一度も野球をやめたいとは言わなかったし、学校も皆勤賞でした」(史成さん)
前出の青木教諭も「前へ出て目立つタイプではないけど、陰で努力している子という印象でした」と言ってこう続ける。
「友達との約束に遅刻してくることもあると聞いて、何でやと思ったら、友達に『素振りしてから行く』と事前に伝えていたとか。決めたことはきちんとやり遂げる意志の強さを感じました。実は僕、腕相撲に自信があって、休憩時間に生徒が挑んでくるんですが、彼もそのひとりでした。最初に対戦したとき、僕が勝ったんです。でも2カ月後、また挑戦を受けたときは一瞬で負けた。それから一度も勝てていません。悔しさをバネに研究してきたんやと思います。毎回、右手同士の対戦で、彼の利き手は左手なんですけどね(笑い)」