今季6勝の松坂大輔が大幅増 年俸8000万円はごくごく普通
それは私のように物書きをしていても、しばしば実感する。たとえば私がどんなに優れた原稿を書いたとしても(書いているわけではないが)、その原稿料がネームバリューのある超有名人のそれを上回ることはない。その超有名人の原稿が基本的な文章作法もなっておらず、語彙も貧弱で、さらには内容も「どこそこのパスタがおいしい」みたいな日記レベルの駄文であったとしても、プロの原稿料を平気で上回ることは社会の道理として不思議ではない。
商売でもそうだ。ガンコな職人が命を懸けて作ったラーメンよりも、世界的にみるとカップヌードルのほうが利益を生み出している。この理不尽を批判する人は少ないだろう。
一見、プロ野球は超人たちが集う非日常的な世界だが、その内実を抽象化してみると、フロントと現場の意識のズレがあったり、上司(監督)と部下(選手)の複雑な関係があったり、業界内を生き抜く巧妙な処世術があったり……一般的な日本社会と重なることが多い。当然、中には「働かない高給取り」「過去の実績への査定」などといった共感できる理不尽もあるからこそ、古くから多くの人々の感情を波立たせてきたのだろう。