強さはDNAだけじゃない サニブラウンを変えた“脱昭和指導”

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「能力のある選手は、自分に足りないものは何かということが、おおかたわかっている。海外の有能な指導者とディベートし、新たな自分を見つけ、前へ進む。残念ながら日本ではそれが難しい。医療の世界では、患者に適切な説明を丁寧に行い、理解を得るよう努めている。インフォームドコンセントが当たり前ですが、スポーツ界ではまだまだ上から押し付けるだけの『昭和の指導』が根強く残っている。海外の技術理論や指導法、選手の体験談などがインターネットで簡単に手に入る今、選手がどんどん賢くなっていますが、昔の成功体験だけをよりどころに指導している者はパワハラで選手をつぶすのです」(前出の平山氏)

 サニブラウンが日本の大学、実業団に進んでいたら日本記録更新も2度目の短距離2冠もなかったかもしれない。

■「化け物」知っている強み

 今大会でもうひとつ際立っていたのは、サニブラウンに関する報道だ。

 100メートルは「豪華メンバー対決」「9秒台決着もあるか」とあおり立て、この日の200メートルでは「夢の19秒台が出るか」とファンに期待を持たせた。

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