強さはDNAだけじゃない サニブラウンを変えた“脱昭和指導”
「『短距離で世界一を目指す』というサニブラウンは自発的に陸上の強豪で知られる米国フロリダ大に進んだ。日本では夢のような話と笑われるだけだし、そもそもそんなレベルの選手を指導できるコーチもいない。彼は自分のレベルを上げるにはどうすればいいのかを考えた結果、五輪で多くのメダリストを輩出したフロリダ大の門をたたいた。スポーツ選手としての欲が海外留学という選択になった。有能選手が覚悟を決めて海外に飛び出せば、吸収力、進歩の速度も速い」
■スケート小平、マラソン大迫
海外留学といえば、平昌五輪女子スピードスケート500メートルで金メダルを取った小平奈緒(33)も、ソチ五輪でメダルを逃すとスピードスケートの本場・オランダに2年間留学。フォーム改造とメンタルを強化した。
昨年のシカゴマラソン3位で2時間5分50秒の日本新記録を出した大迫傑(28)も、目指すは東京五輪マラソンのメダルだ。最近の実績からその夢が笑い話でなくなったのは、2001年に設立された中・長距離の一流プロチーム、米「ナイキ・オレゴン・プロジェクト」にアジア人で唯一加入できたことが大きい。