最も影響を与えた旗振り役 松坂大輔は永遠に“世代”の象徴
■藤川球児が孤軍奮闘の活躍も…
阪神の大ベテラン・藤川球児の活躍が目覚ましい。今季は終盤から、かつての定位置であるクローザーに復帰して以降、39歳にして全盛期に勝るとも劣らない安定した投球を続け、阪神のCS進出の立役者となった。
代名詞である火の玉ストレートは、球速こそ落ちたものの、切れ味は往時と変わらない。あの独特のホップするような球筋は今も昔も美しく、思わず見とれてしまう。
今季のペナントレースが終了した時点で日米通算243セーブ。節目の250セーブにいよいよ迫ってきた。順調にいけば、来季早々に松坂世代第1号となる名球会の入会資格を得るだろう。
かつて球界を席巻した松坂世代も一人また一人と現役を退き、今や藤川が孤軍奮闘していると言っていい。なにしろ、肝心の松坂大輔が中日を退団し、来季の所属先も未定の状態なのだから、藤川とは雲泥の差だ。
正直、今の松坂では、たとえ来季も現役を続けられたとしても、藤川のような大復活とはならないだろう。彼のピッチングは寄る年波や度重なる故障もあってか、すっかり衰えてしまった。それでも現役にこだわる姿は、燃え尽き方を模索しているようにも見える。