著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

最も影響を与えた旗振り役 松坂大輔は永遠に“世代”の象徴

公開日: 更新日:

 同い年の松坂と藤川のコントラストが、ここまで極端だからだろう。最近のネット上などでは「松坂世代という呼称はそろそろやめて、藤川世代に変えませんか?」などといったファンの声が目立つようになった。確かにそう思いたくもなるような現状だ。今季の松坂は一軍戦に2試合先発登板しただけで0勝1敗、防御率16・88だった。

 しかし、それでもこの世代の象徴は松坂大輔なのだ、私はそう認識している。いわゆる〇〇世代の中に入る〇〇とは、その世代の時価評価としての最強選手のことではなく、その世代の多くの野球人に最も影響を与えた選手、その世代の旗振り役のことだろう。

 だから、たとえその選手が衰えて満足に働けなくなったとしても、世代の象徴としての意義深さは変わらない。藤川球児和田毅も、引退した杉内俊哉や村田修一も、同世代に松坂大輔という怪物がいて、その存在の強度を高校生のころから感じていたからこそ、一流選手になれたはずだ。

 松坂はそれほどまでの投手だったのだ。私は虎党で、だから藤川には思い入れがあるけれど、だからといってこの世代を藤川世代だとはとらえられない。1998年秋のドラフト西武に1位入団した松坂の輝き、その後の華々しい大活躍。あのころ、同じ年に阪神に1位入団した藤川のことを、私はいつも松坂と比較しながら見ていた。松坂に負けるな、いつか追いついてほしい、そんな期待を抱いていた。その時点で、藤川は永遠に松坂世代のひとりなのだ。

 (火曜掲載)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議