コロナ対策に甘いプロ野球 蔓延してもシーズン強行の根拠
経済優先する政府の後押し
しかし、スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は、「プロ野球が中止になることはないでしょう」とこう続けるのだ。
「シーズン途中で中止にするくらいなら、見切り発車の末に開幕を強行などしていないでしょう。本来、プロ野球にとって一番の宝は選手。安心安全が最優先であり、ファンに夢を届けるプロ野球は絶対に感染源になってはいけない。選手の命を重視し、感染拡大を防ぐことに全力を尽くす気があるのなら、全国を転戦して試合なんてできるはずがない。プロ野球がやっていることは、経済を優先する政府と同じ。何人もの感染者が出ようとも、政府からストップがかからない限りは場当たり的な対応で済ませ、ズルズルと開催し続けるのではないか」
そもそもプロ野球がこのコロナ禍で最大5000人の観客を入れて開催できるのは、政府や自治体の後押しがあるからだ。
「プロ野球はコロナ禍で経営に四苦八苦し、安倍政権の経済優先政策に乗りかかって開幕にこぎつけた。いくら感染者が増えようとも経済のことしか頭にない政府も、プロ野球が中止になることは避けたいはず。プロ野球は日本のプロスポーツを牽引してきたから、その決断が他のスポーツや社会に与える影響は大きい。プロ野球が中止になれば政府がゴリ押しする『Go To キャンペーン』はもちろん、来年の五輪開催などにも大きな影響を及ぼしかねませんからね」(谷口氏)
選手としても今季の年俸を全額保証される“アメ”を与えられている以上、文句は言えまい。いくらコロナが猛威を振るおうとも、プロ野球が中止にならないわけだ。