コロナ対策に甘いプロ野球 蔓延してもシーズン強行の根拠
シーズンの続行を危ぶむ声も出ている。
1日にソフトバンクの長谷川勇也(35)が新型コロナに感染し、その影響で2日のソフトバンク対西武戦が中止。6月19日の開幕以降、選手に感染者が出たのは初のことだとあって、球界は緊迫感に包まれている。
■感染に対する意識が希薄
ソフトバンクの発表によれば、長谷川は7月7日に故障で一軍登録を抹消されて以降、外出はファーム施設と自宅の往復のみで、外食すらしていなかったという。プロ野球ではここにきて、オリックスのフロント職員やソフトバンクの一軍スタッフ、二軍施設関係者がコロナに感染。競技は違えど、JリーグでもJ1名古屋など複数のクラブで感染者が出ている。球界関係者が、「長谷川のように対策をしても感染するときは感染するものですが、全般的にコロナ対策に甘い部分があると言わざるを得ません」とこう続ける。
「5月に緊急事態宣言が解除され、練習が解禁された直後も、マスクなしでロッカールームでぺちゃくちゃしゃべったり、球場施設間を移動したりする選手が多く、コロナ感染に対する意識が希薄だと、懸念する関係者が少なくなかった。月に1回程度、PCR検査を受けているという安心感もあるのか、ベンチではマスクを着用せず、大声を発する選手がいる。球場ではファンが密をつくって問題になることもしばしば。7月31日からの甲子園での阪神対DeNA3連戦では、外野スタンドがファンで密になる中で試合が行われ、ファンは大声で応援歌を歌っている。阪神が8月1日から観客動員の上限が1万8000人に引き上げられることを想定し、外野席を大量に売っていたことも影響しているそうですが、そんなのは言い訳にすぎませんよ」
プロ野球は、2週間に1度のペースで選手がPCR検査を受けているJリーグと比べても、その頻度は月1回と少ない。NPBの斉藤コミッショナーが先日、「野球は接触という点でもサッカーとは違う。当面の間はPCR検査は月1回のペースでやっていきたい」と話した途端に、感染者が出た。「このままでは安全が担保されず、プロ野球界にコロナが蔓延、中止に追い込まれかねない」と、懸念する関係者は少なくない。