唯一の大学生だった小久保裕紀は物おじせずサザンを熱唱
代表合宿の最終日、宿舎で打ち上げを行った。のちに代表入りする大島公一(日本生命)や坂口裕之(日本石油)らが幹事として宴会を盛り上げる中、最年少の小久保は先輩たちの前で、カラオケのマイクを持ち、青学の先輩であるサザンオールスターズの「チャコの海岸物語」を堂々と熱唱。その歌唱力は素晴らしく、「優秀賞」を取った。代表初参加でも物おじすることなく、チームに溶け込もうとする姿勢に感心したものだ。
そんなことがありつつ、翌92年7月、いよいよバルセロナで本番を迎えた。そこで私は、小久保裕紀の野球に対する凄まじいまでのひたむきさを知ることになる。