中国ワクチン外交に“籠絡”された IOCバッハ発言の無責任

公開日: 更新日:

 その通りだ。中国にとって今回のワクチン提供の申し出は、北京冬季五輪の実現に向けてIOCに自国の存在感を示す絶好の機会と考えているからだ。まさに「ワクチン外交」そのものだが、そこには中国らしい狡猾さも透けて見える。

「中国にとっては、日本側がワクチン提供を受け入れても、受け入れなくても構わないと考えているでしょう。仮に日本側が中国の提案を断り、東京五輪パラリンピックの中止が決定的となれば、『ほら、我々の申し出を断ったから』となるだろうし、受け入れて開催となれば『我々が力を貸したから』と言い出すのは目に見えています」(スポーツ紙記者)

 もとはといえば、中国の「ワクチン外交」に揺さぶりをかけられる状況になったのも、ワクチン接種をはじめとする新型コロナ対策で、日本政府が後手後手の対応となっているからだ。

 東京五輪組織委も、IOCの言いなりになるのではなく、「ワクチン外交」に“籠絡”されたバッハ会長に対して「ワクチン費用を拠出する余力があるなら東京五輪の開催費を負担して」ぐらい言ってほしいものだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁