セバスチャン・コー会長「東京にお返ししたい」世陸開催の本気度…選手に“命懸けレース”また強要?
2年ごとの世界陸上は、夏季五輪のない奇数年の7~8月に行われる。今年は8月6日に米・オレゴン州ユージーンで開催予定だったが、東京五輪が昨年から1年延期されたことで来年7月に変更された。
今年の東京五輪は酷暑でテニスやサッカーは選手から日中は避けて欲しいとの要望があり、実際に試合時間が変更された。陸上の女子走り高跳びでは、夜の競技でも順番を待っているときに氷で頭や体を冷やす選手が何人もいた。
女子マラソンは酷暑を懸念し、朝7時のスタート時間が前夜になって1時間繰り上げられた。男子マラソンは服部勇馬が熱中症の重い症状により車椅子で医務室へ搬送された。このレースは106人が出走し30人が体調不良で途中棄権した。
■2025年に国立で
「2019年の世界陸上ドーハ大会の女子マラソンは気温30度、湿度70%を超える悪条件の中、68人中28人が途中棄権した、『命懸けのレースをやらせるのか』と、国際陸連は批判された。IOC(国際オリンピック委員会)は東京五輪で同じ批判を受けたくないため、マラソン、競歩の会場を、急きょ札幌に移したわけだが意味がなかった。ロードレースはもちろんのこと、湿度が高い真夏の東京では夜の競技でも厳しいのが現実。3度目の世界陸上は25年が濃厚と聞くが、選手の健康を第一に考えれば、開催は2年前のドーハ大会のように9月下旬以降にするべきです」(実業団OB)
ちなみに、91年東京大会の男子マラソンでは60人中24人が途中棄権している。