青学大の箱根総合圧巻V生んだ原監督「言葉のマジック」 4連覇含む総合9度制覇の名将が分析
■豊富な戦力を上手にコントロール
「まず、青学大は戦力が豊富。高校時代に駅伝で揉まれた選手が毎年入ってくる。近年、箱根の強豪校になったこともあるし、監督のスカウト力も大きい。原監督本人から聞いたわけではないが、選手には強制的な練習はさせてはいないはずだ。各自に目標を設定させ、伸ばしているのではないか。ランニングフォームに関しては、2年前の優勝時より選手の腕の振りがさらによくなってきた。フォームは前後、横、上などから立体的に見て、滑らかで無駄のない動きに修正する。指導経験があるからわかるのだが、選手の走りや表情から『練習をやらされている』という雰囲気が感じられない。一方、戦力が豊富なことはいいことばかりではない。チーム内でレギュラー争いが激しく、監督が思った以上に選手たちは自己記録を意識し、トレーニングで負荷をかけてしまう。最近は厚底シューズがはやっており、歩幅が広くなり、着地の抵抗が大きい。腰回りや股関節周辺などを痛めやすく、故障につながるケースが多い。そこは監督やコーチのコントロールが必要となるが、原監督は気配り、目配りにたけているのだろう」